【実例編】正解は、私ではなく「お客様」の中にある

三井ホームが売りにくい街、越谷・春日部エリア。 ここで私が担当したあるお客様のことは、今でも鮮明に覚えています。
春日部の中心地で新聞販売店と農家を営む、地元でも名の知れた地主さんの跡取り息子。
40代半ば、独身。
都心の丸ビルで管理職を務める、プライドとコンプレックスが同居する方でした。

カリスマ性のある父親への複雑な思い。
対人関係が少し苦手な不器用さ。
でも、私はそんな「ちょっと変わった人」が大好きなんです。

📦 段ボールで作られた「夢」の形

ある日の商談、彼は驚くべきものを持ってきました。
自作の「段ボール模型」です。

自分が理想とする間取りを、自分の手で形にした模型。
プロの目から見れば、決して使いやすい間取りではありません。
それでも、その模型からは「この家で年老いた両親と静かに暮らしたい」という、彼の切実な願いが溢れ出していました。

普通の営業マンなら「これでは構造が……」「生活動線が……」と修正を迫るでしょう。
でも、私は思わず笑いながら言いました。
「すごいですね!ここまで思い入れがあるなら、この通りに作りましょう」

彼は驚いたような、それでいて心底嬉しそうな顔をしました。
私はプロとして構造上の安全だけを確保し、彼の「作品」をそのまま形にすることに決めたのです。

⛰️ 1.2mの基礎、異様なスロープの理由

彼のこだわりは、さらにエスカレートしました。
「1階の床の高さを、地面から1.2メートルにしたい」

三井ホームの標準は63センチ。
その倍近い高さです。
そんなに高くすれば、玄関までたどり着くのに、とてつもなく長いスロープ(坂道)が必要になります。
「なぜ、そこまで高くするのか?」 理由は聞けませんでした。
こだわりが強い人に理由を問うのは、野暮なこともある。
おそらく、将来の介護を見据えた彼なりの「確信」だったのでしょう。

出来上がった家は、傍から見れば異様なほど基礎が高く、長いスロープが家を取り囲む不思議な姿でした。
でも、完成した家を見上げる彼の顔は、この上なく満足げでした。


🏠 澤井から、家を売りたいあなたへ

私は三井ホームという「おしゃれなブランド」にいましたが、本当にお客様が求めているのは「ブランドの正解」ではないことを、この時学びました。

不動産売却も同じです。

  • 変わった間取りの家
  • 誰かの強いこだわりが詰まりすぎた家

普通の不動産屋は「これじゃ売りにくいですよ」と否定から入ります。
でも、私は違います。
私はその「こだわり」の中にこそ、次の買い主を動かす熱量があると信じています。

段ボール模型を作ったあのお客様のように、「自分だけの正解」を大切にする人は必ずいます。
あなたの家が持つ「ちょっと変わった個性」を面白がり、その価値を理解してくれる人を探し出す。
それが、変わり者に愛される私の、唯一無二の販売術です。

「私の家は特殊だから……」と悩んでいる方。
その特殊さこそ、高く売るための「ジョーカー」になるかもしれません。
ぜひ私に、その家の物語を聞かせてください。

【実例編:後日談】「腫れ物」扱いされた男と、私の距離感

春日部の地主の跡取り息子。40代半ば、独身、丸ビル勤務。
彼の「地面から1.2メートルの基礎」と「巨大なスロープ」という異様なこだわりに対し、実は周囲の反応は冷ややかなものでした。

近所に住む二人の妹さんも、ご両親も、彼のあまりの頑固さに「もう、あいつの好きにさせればいい……」と、半ば諦め、関わるのを避けているような状態だったのです。

🤝 「理解」ではなく「面白がる」

家族ですら「腫れ物」として扱う彼に対し、私は一歩も引きませんでした。
彼がなぜそんな極端な家を欲しがるのか。
それを否定せず、論破もせず、ただ「面白いですね」と興味を持って接する。

それは「接客術」というより、私自身の性分かもしれません。
世間から「変わった人」と呼ばれる人ほど、その内側には誰にも譲れない強烈な美学がある。
私はそこに触れるのが、昔から嫌いではないのです。

🏠 「便りがないのは、良い家の証」

完成した家は、やはり街の中で異彩を放っていました。
その後、彼とはすっかり疎遠になっています。
でも、それでいいのだと私は思っています。

三井ホームを辞めてからも、彼から「あそこが壊れた」「使いにくい」といったクレームは一度も聞こえてきません。
あの異様な高さの基礎も、長いスロープも、彼にとっては「正解」だった。
周りがどう言おうと、彼とその両親が静かに、満足して暮らしているなら、私の仕事は100点満点だったのです。


🏠 澤井から、家を売りたいあなたへ

不動産を売る時、家族や親戚、あるいは他の不動産業者から「こんな家、売れるわけがない」「こんな条件、誰が喜ぶんだ」と否定されることがあるかもしれません。

でも、安心してください。 「周りが諦めたこだわり」を、私は絶対に笑いません。

家族にすら理解されなかったあのお客様の夢を形にしたように、あなたの家の「誰にも分かってもらえない良さ」を見出し、それを愛してくれる買い主を根気強く探す。
それが、私の仕事です。

「頑固だ」「変わっている」と言われ続けてきた家こそ、私の出番です。

個性のある物件は、必ずそのニーズが合致している、その価値を認めてくれるお客様がいます。
ただし、時間がかかるのです。
大手はそこを嫌います。
疎遠になれるくらい完璧な「納得の売却」を、私と一緒に目指しませんか?

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