第13話 駐車場完成。しかし地中から現れた新たな地雷

八街再生ストーリー

駐車場完成。しかし地中から現れた新たな地雷

やっとのことで駐車場は完成した。

土だった場所がコンクリートになり、見た目もずいぶん引き締まった。

車を置く場所もできて、私は素直に「やってよかった」と思っていた。

ところが、その一方で、どうしても気になることが一つあった。

実は駐車場を作るために土を掘り返していたとき、偶然、地中から雨水マスが出てきたのである。

シャベルで20センチほど掘り進めていたときだった。

突然、ゴツッという手応えがあった。

最初は石に当たったのかと思った。

だが、石にしては音も感触も少し違う。

おかしいなと思って、そのあたりを丁寧に掘っていくと、白いプラスチックの蓋のようなものが見えてきた。
さらにきれいに掘り出してみると、そこにははっきりと「雨水」と書いてあった。

「これ、雨水マスじゃないか……」そう思った瞬間、嫌な予感が走った。

普通、雨水マスというのは地面の上に蓋が見えている。
点検や清掃ができるように、当然そうなっているものだ。
それが20センチも土の下から出てきたということは、単に一つだけ埋もれているという話ではない。

雨どいのルートに沿って、この家くらいの規模――35坪前後の住宅なら、雨水マスは10個前後あってもおかしくない。
だとすると、それらも全部埋まっている可能性が高い。

そして、その嫌な予感はすぐに的中した。
少し周囲を掘ってみると、案の定、もう一つマスが出てきたのである。

私はその時点で理解した。
この家は、もともと今より20センチほど地面が低かったのだ。

あとから何らかの理由で土を入れたのだろう。
さすがに、周囲のピーナッツ畑から土が飛んできて20センチも積もったとは考えにくい。

「ちょっと待てよ……」

そう思った瞬間、さらに大きな不安が頭をよぎった。

雨水マスがこれだけ埋まっているなら、浄化槽も埋まっているのではないか。
この家には当然、浄化槽があるはずだ。
もしそれまで20センチ土の下に埋まっているとしたら、点検も汲み取りもまともにできない。

これはまずい。

仕方がないので、私は一つひとつ、配管の流れをたどるように掘り返していった。
そして、北側の玄関前で、ついにそれらしい場所に行き当たった。

もちろん、最初から全体像が見えるわけではない。
浄化槽というのは、地中に埋まったかなり大きなタンクだ。
軽自動車をひと回り小さくしたようなサイズ感、とでも言えば近いかもしれない。

ところが、そこを掘っていったときの手応えが明らかにおかしかった。
ガツン、と硬い感触が返ってくる。
プラスチックではない。もっと重く、鈍い感触だった。

さらに掘り進めていくと、現れたのはコンクリート製の巨大な構造物だった。

「でかい……」

思わずそう感じた。
軽自動車どころではない。
上から見た印象では、もう車一台分、いや、バンが一台埋まっているような大きさにすら感じた。
少し大げさかもしれないが、そのくらいの迫力があった。

とにかく大変な作業だった。
掘っても掘ってもコンクリートの姿が現れてくる。
ようやく全体が見えてきたとき、私はつくづく思った。

「やっぱり、この前の持ち主さん、ちょっと変わった人だったんだな……」

そういえば以前、道路向かいのおじさんが、前の住人は自然信仰が強かったようなことを話していたのを思い出した。
もしかすると、植栽か何かのために、あとから意図的に土を入れたのかもしれない。

ただ、理由が何であれ、浄化槽まで埋めてしまうのは普通ではない。
浄化槽は基本的に、定期的な点検や汲み取りが必要になる。
半年に一回程度のメンテナンスが前提の設備だ。

それが土の下に埋まっていたということは、この家は長い間、浄化槽の管理がまともにされていなかったのではないか。
確認のしようはなかったが、おそらくそれほど見当違いでもなかったと思う。

結局、私は埋まっていたすべての雨水マスと浄化槽を掘り出すことになった。
そして外壁塗り替え作業のために、購入してあったケルヒャーのような中国製の高圧洗浄機が役に立った。

ただし、音はとんでもなくうるさかった。
安物だったからなのか、とにかく爆音だった。

それでも、全部を掘り出し、高圧洗浄機で洗って、ようやく元の姿が見えたときには、妙な感動があった。

「ああ、ようやく元に戻せたな」

そんな気持ちだった。

もともと見えなくなっていた設備が、ちゃんと本来の位置に現れる。
ただそれだけのことなのに、不思議と達成感があった。

もっとも、これが都心部の住宅密集地だったら、あの高圧洗浄機での作業はかなりやりづらかったと思う。
幸い、この現場は少しのどかな場所だった。
家もそこまで密集しておらず、道路沿いの家を除けば、周囲にはピーナッツ畑が広がっていた。

あの環境だったからこそ、何とか思い切って作業ができたのだと思う。



第14話

井戸掘り地獄

― 地面を突いても出てくるのは、ため息ばかり ―へ続く

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