リフォームが終わり、いよいよ本番の「売却」へと移行しました。
もともとこのプロジェクトは、競売物件を再生して利益を出すための実験。
今までの苦労はすべて、この「出口(売却)」で高く売るための布石です。
まずは地元の不動産会社に仲介を依頼することにしました。
手数料はかかりますが、地場のネットワークこそが早期売却の鍵だからです。
しかし、ここでも「八街の洗礼」が待っていました。
🏢 地元不動産屋という名の「ジャングル」
4社ほど連絡をしてみましたが、対応は想像以上にシビア(というか、やる気がない)なものでした。
- A・B社: まともに話が通じない。予定をはぐらかし、そもそも仕事をしたくなさそうなオーラが電話越しに伝わってくる。
- C社: 話は聞くが、肝心のアポイントを取ろうとしない。
- D社(以下、A社): 唯一まとも。担当者は30歳前後の若手で、フットワークも軽い。
私はここをパートナーに決め、市場事例に基づき「980万円」という強気の価格で売り出すことにしました。
完全にチャレンジ金額です。
🌫️ 静寂。問い合わせゼロの恐怖
広告を出してもしばらくの間、電話は鳴りませんでした。
「やっぱり高すぎたか……?」 不安になりA社の担当者に相談しましたが、彼は「このエリアでは少し高めですかねー」と冷静。
私は祈る待つことにしましたが、心の中は爆発寸前のエアコン以上に熱くなっていました。
お客様の時はあんなに冷静な自分が、自分の物件となるとこんなに客観視できないのかと哀れになったり可笑しくなったり。
👟 下駄箱の上に置かれた「ライバル」たちの影
ある日、物件の様子を見に行くと、下駄箱の上に1枚の販売図面が忘れられていました。
おそらくA社が内覧希望者を案内した後に置いていったのでしょう。
それを見て、私は言葉を失いました。
そこには、私の物件と並べて比較された「ライバル」たちの図面が束になっていたのです。
「……負けてるかもしれない」
そこにあったのは、プロの業者が完璧にフルリフォームした物件たち。
しかも、私の「980万円」より安いものもゴロゴロしている。
私の武器は「素人の1年半にわたるDIY」。
対する相手は「プロのスピードとクオリティ」。
しかも、私の物件は駅から5キロほどで遠く、前面道路が未舗装という弱点もありました。
今までの自信が、ガラガラと音を立てて崩れ去った瞬間でした。
果たして、この家を選んでくれる「変わり者(失礼!)」は現れるのでしょうか。
第28話に続く


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