競売で手に入れたこのパナホームには、致命的な欠陥があった。
「駐車場がない」ことだ。
かつての所有者は、隣にある実家の敷地に車を停めていた形跡があった。
そのため、私が手に入れた物件の道路側には立派な塀がそびえ立ち、車が入り込む隙間など微塵もなかったのだ。
パナホームの「無理やり」な配置
敷地を確認しながら、私はある違和感を抱いていた。
ここは北西の角地。本来ならもっと効率的な配置があるはずだが、建物が妙に南側に押し出され、北側がぽっかりと空いている。
「プレハブ住宅、それも当時の規格化されたプランの限界だな」私は心の中でそう毒づいた。
私がかつていたハウスメーカーの世界でも、当時のプレハブ住宅はプランのバリエーションが少なく、敷地に対して無理やり建物を当てはめることが多かったのだ。
しかし、後になってその「空き」の本当の理由を知ることになる。
北側の地面の下には、巨大な「浄化槽」が埋まっていたのだ。
それを避けるための苦肉の配置だったわけだが、当時の私にはまだ、土の下に眠るその地雷は見えていなかった。
西側、消去法の選択
現状の配置を冷静に分析すると、駐車スペースを作れる場所は一箇所しかなかった。
それが、現在は物干しスペースとなっている「建物の西側」だ。
しかし、そこにはまだ「戦いの余韻」が残っていた。
先日切り倒したあのラスボス、銀杏の木の切り株だ。


地上50センチほどで切り落としたものの、巨大な根っこは依然として地中に深く張り巡らされている。
「根っこまで抜く(抜根)」となると、重機が必要になり、費用も手間も跳ね上がる。
「……抜根は避ける。この切り株をかわしながら、駐車場を作るしかない。」
それは、限られた予算と体力で挑む、執念のパズルだった。
20センチの壁
さらに立ちはだかるのが、道路との高低差だ。
この敷地は、道路から見ると20センチほど高くなっている。
かつてはこれほど高くなかったはずだが、長年の堆積物か、あるいは造成時の意図か、今となってはわからない。
車を入れるためには、まず道路を塞いでいる塀を壊さなければならない。
そして、20センチ分の土を掘り出し、コンクリートを打つ必要がある。
「塀を壊し、土を捨て、コンクリートを敷く。
……言うのは簡単だが、これを一人でやるのか?」銀杏の切り株と、古びた塀を前にして、私は改めてこの「再生」という
名の格闘の難しさを噛み締めていた。
だが、ここを突破しなければ、この家はいつまでも「車が停められない、売れない家」のままだ。
(第9話へ続く:塀を壊す。YouTubeのDIY女子ができるのに、なぜ俺はできない?)
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