【第29話】税金の罠。1年半の汗と涙を飲み込む「108万円」の衝撃

八街再生ストーリー

無事に765万円で売却が決まり、私は達成感に浸っていました。

「350万で買って、リフォームに約200万。利益は200万以上だ。やったぜ!」

……しかし、そんな甘い夢を打ち砕いたのは、1枚の納税通知書でした。

📊 俺の計算 vs 税務署の計算

私の頭の中では、収支はこうでした。

  • 売却額: 765万円
  • 総費用: 約550万円(物件・井戸・DIY・登記など)
  • 俺の利益: 215万円!

ところが、確定申告で税務署が弾き出した「利益」は全く別物だったのです。

実は、ネットの「DIYの道具代やリフォーム代は経費にならない」という情報を鵜呑みにして、私は多くの領収書を捨ててしまっていました。

その結果、税務署が認めた経費は「物件代・登記代・仲介手数料」のみの約430万円。

税務署「あなたの利益は353万円ですね。短期譲渡(5年以内の売却)なので、約3割の所得税を払ってください」

届いた請求額は、108万円。

(※この後に、さらに約32万円の住民税が追い打ちをかけてきます)

必死に汗水流してリフォームした費用が「なかったこと」にされ、架空の利益に対して多額の税金がかかる。まさに、「DIYの努力が税金に変換される」という悪夢のような事態でした。

💰 実際の手残りはいくら?(涙の最終収支)

エクセルの詳細データを元に、私の「財布から本当に出入りしたお金」を計算してみると、驚愕の事実が判明しました。

項目金額
売却で入ってきたお金7,650,000円
リフォーム・井戸・全費用▲5,485,000円
(A) 税金前の現金利益2,165,000円
(B) 支払った税金合計▲1,397,000円
(C) 最終的な手残り (A-B)768,000円

1年半、毎週片道3時間かけて通い、猛暑の中で壁を塗り、井戸を掘り……。

最終的な手残りは「76万8,000円」。

利益が出ただけマシですが、「200万儲かった!」という感覚からすると、約140万円も税金で消えたのは、正直「坊ちゃん育ち」の私にはキツすぎる現実でした(笑)。

⛏️ 起死回生の「井戸」の領収書!

「あーあ、大損だ……」と肩を落としていた私に、奇跡が起きました。

なんと、捨てたと思っていた束の中から、「井戸掘削工事(50万円)」の領収書が1枚だけ発掘されたのです!

実は、ただの修繕費は経費にならなくても、「井戸を掘る」といった物件の価値を根本的に上げる工事(資本的支出)は、経費として認められる可能性が高いのです。

「これだ! これを税務署に突きつければ、払いすぎた約20万円が返ってくるはずだ!」

私は再び立ち上がりました。

DIYの腕だけでなく、今度は「税務署への更正の請求(修正手続き)」という新しい武器を手にして。

通帳に刻まれた「765万円」の錯覚

最終的な手残りが「76万8,000円」だと計算したとき、私は少し複雑な気持ちになりました。
1年半の重労働の対価が・・・。時給に換算したら、一体いくらになるんだろう……。

ところが、決済の当日。
私の銀行口座に振り込まれた数字を見た瞬間、そんな理屈は吹き飛びました。

【お振込:7,650,000円】

この数字の迫力は、凄まじいものがありました。
それまでは、毎週のようにホームセンターで数千円を使い、数万円の部材を買い、コツコツと自分のお金が削られていく「持ち出し」の連続でした。
それが、たった一瞬で、これまで投じたすべての経費と一緒に、利益がドカンと戻ってきたのです。

💰 「利益」と「キャッシュ」の不思議な関係

理屈では分かっています。
この765万円のうち、自分の「儲け」はたったの10%程度です。
残りは、自分がこれまで必死に貯めて、この家に注ぎ込んできたお金の「回収」に過ぎません。

でも、不思議なものです。 目の前の通帳に並ぶ数字を見ていると、まるで自分がものすごい大金持ちになったような、全戦全勝の勝負師になったような、変な高揚感に包まれたのです。

「ああ、これが『商売』なんだな」

給料袋を待つのとは違う、自分でリスクを取って、自分で汗をかいて、自分で出口を作った人間だけが拝める、通帳の景色。
76万円という利益の数字以上に、この「ドカンと戻ってくる感覚」こそが、私を次のステージへ、そして「サワイリバイバル」の起業へと突き動かす本当の原動力になったのかもしれません。

涙のエンディング 第30話に続く

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