第17話 判明した浄化槽の罠。もしあっちに駐車場を作っていたら……

八街再生ストーリー

現れたごっつい浄化槽

この家の浄化槽は、玄関のある北側に埋まっていることが後になってわかった。

実は最初、車の置き場を考えたときに、北側も候補に入れていた。
北側は比較的スペースが空いていたから、
「駐車場を作るなら、こっちでもいいんじゃないか」
と考えていたのである。

ただ、最終的には道路との高低差がかなりあったため、北側はやめることにした。
そして、結果的に西側に駐車場を作り始めたのだが、これが大正解だった。

なにしろ、北側には巨大なコンクリート製の浄化槽が埋まっていたからである。

左手前がコンクリート製浄化槽。見たことなかった。これが土の下に埋まっていた。左に見えるのが唯一残した木。葉がきれいで紫の実が成る。ただ、隣に越境するので切ってしまえば良かった。

私がそれまで見てきた浄化槽は、たいてい大きなプラスチック製のものだった。
だから、こんなコンクリート製の浄化槽は初めて見た。
これが時代の違いなのか、この八街市あたり特有の事情なのか、あるいは当時の行政指導によるものなのかはわからない。
ただ、とにかく予想していたものとはまるで違っていた。

しかも、その浄化槽の天板の高さがまた厄介だった。
位置としては、道路面より20センチから30センチほど高いところにあったのである。
もし北側に駐車場を作ろうとしていたら、途中で
「これは無理だ」
と断念せざるを得なかったはずだ。

そう考えると、本当に運がよかったと思う。
西側を選んだのは、結果的には大正解だった。

さらに厄介だったのは、この浄化槽が最初、20センチほど土の下に埋もれていたことだった。

掘り下げ作業を始めたときは、全体の大きさがまったくわからない。
掘っても掘ってもまだ続く。
そのたびに、
「いったいどこまであるんだ、この浄化槽は……」
という感じで、半ばあきれながら掘り進めていった。

そして、その作業をしながら私が怖いと思ったのは、別の点だった。

匂いが・・・

浄化槽というのは、通常であれば定期的に汲み取りや点検をしなければならない。
一般的には、半年に一回程度の管理が必要になる。
それなのに、これだけ土に埋もれていたということは、この家は少なくともかなり長い間、浄化槽のメンテナンスをまともにしていなかった可能性が高い。

いつからこういう状態だったのかはわからない。
だが、少なくとも普通の管理状態ではなかったことだけは間違いないと思った。

しかも、私が競売で落札した時点で、浄化槽のブロワー――浄化槽の中のバクテリアが死なないように空気を送り込むための機械――はすでに壊れて止まっていた。

私の経験では、ブロワーが止まっている浄化槽というのは、かなり強い臭いが出ることが多い。
ところが、この家では、不思議なことにそこまで臭いが漂っていなかった。

最初は少し不思議に思った。
だが、あとで考えると、おそらく理由は単純だったのだろう。
土がそのまま蓋の役割をして、臭いを外に出さなかっただけなのだ。

そう思うと、少しぞっとした。
見えていないだけで、中ではかなりまずい状態になっていた可能性があるからだ。

いずれにしても、この家を売る以上、引き渡し前には一度きちんと浄化槽の汲み取りをしなければならない。
私はその必要性を強く感じていた。

表から見れば、ただ古い家に見える。
だが、実際には地面の下に、こうした見えない罠がいくつも隠れている。
この家の再生は、見た目を整えるだけでは終わらなかったのである。

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― 八街市民の権利を使い倒してコストを削る ―へ続く

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