第9話:ハンマーの絶望。YouTubeの女の子ができるのに、なぜ俺はできない?

八街再生ストーリー

駐車場を作るためには、まず道路を塞いでいるブロック塀を撤去しなければならない。

私はこの作業を、正直なところ軽く考えていた。

高校時代、私は空手に打ち込んでいた。

当時は演武でコンクリートブロックをかかと蹴りで割ることなど朝飯前だったのだ。

「ブロック塀なんて、所詮は砂とセメントの塊。

大したことはない」 そんな根拠のない自信が、私の胸の中にはあった。

YouTubeという名の「幻想」

念のため、YouTubeで「塀の壊し方」を予習してみた。

そこには、ごく普通の女の子二人組が、ホームセンターで買った大きなハンマーでガンガン塀を殴り、面白いくらいに壊していく映像が流れていた。

彼女たちは決して女子プロレスラーのような体格ではない。

「……これ、楽勝だな」私は確信し、現場近くのホームセンターへ向かった。

迷わず、棚にある中で一番デカい、柄の長さが1メートルもある大ハンマー(かけや)を買い求めた。

一番上がかけや。握りやすいようにウレタンテープを巻いたが・・・。一番下が屋根の汚れを落とすために買ったデッキブラシ。全然歯に立たず、結局中段の金属ブラシへ移行。しかし、それもダメで結局ケルヒャーの類似品の中国製高圧洗浄機を購入した。

「大谷翔平」にはなれなかった

現場に戻り、まずは塀の上についているアルミ製の柵をドライバーで外した。

これは面白いように簡単に取れた。

「さあ、ここからが本番だ」私は右打席に立つ大谷翔平選手ばりのフルスイングで、ハンマーを振り抜いた。

ターゲットは、目の前のブロック塀。

「バイィィィン!!」凄まじい衝撃音とともに、私の腕を襲ったのは、殴りつけたのと同等のすさまじい反発エネルギーだった。

「えっ?」

一瞬、思考が停止した。

何が起きたのかわからなかった。

YouTubeの女の子たちは、もっと「ボコッ」と快音を立てて壊していたはずだ。

打ち所が悪かったのかと思い、もう一度、渾身の力で振り抜く。

「バイィィィィィン!!!」

結果は同じ。ハンマーは無情にも跳ね返され、ブロックの角がわずかに欠ける程度。

私の落札した家の塀は、普通の灰色のブロックではなく、「リブロック」と呼ばれる縦に筋の入った化粧ブロックだった。

どうやらこいつは、私のかかと蹴りの記憶にあるブロックとは、強度の次元が違っていたらしい。

20回のフルスイングと、静寂

その後も、意地になって20回ほど叩きつけてみた。

しかし、壊れるのは塀ではなく、私の腕の筋肉と、近隣に響き渡る爆音に耐えきれなくなった私の心の方だった。

「これ、近所迷惑どころの話じゃないな……」ゼェゼェと肩で息をしながら、私はその場に座り込んだ。

1メートル、数キロの鉄塊をフルスイングし続けても、びくともしないリブロックの壁。

YouTubeのあの映像は、一体何だったのか。

あれは「ヤラセ」だったのか、それともこの家が特別に頑丈なのか。

このままでは、駐車場どころか、塀の一枚すら剥がせない。

私は重いハンマーを引きずりながら、その日はすごすごと撤退することにした。

「筋肉」と「根性」だけでは、八街のパナホームは落とせない。

私はもっと別の、「文明の利器」が必要であることを痛いほど思い知らされていた。

(第10話へ続く:15,000円のハツリ機。文明の利器と、止まらない爆音)

ビック・リボーン・エステートのホームページへ柏市・松戸市の不動産売買 – ビック・リボーン・エステート

コメント

タイトルとURLをコピーしました