第11話:砕石0.5立方の衝撃。軽トラのブレーキが効かない!

八街再生ストーリー

駐車場を作るために、15平米の土間コンクリートを打つことにした。

近所の業者に見積もりを取ると「8万円」。

意外と安いな、頼んじゃおうかな……という誘惑が頭をよぎったが、私は思い直した。

「それじゃあ、この『実験』の意味がない。」 自力でやればいくらで済むのか。

その好奇心だけで、私は地獄の作業に足を踏み入れた。

営業マンを泣かせる「残土」の正体

まずは地面の掘削だ。道路より20センチ高い敷地を解消するためには、気の遠くなるような量の土を掘り出さなければならない。

土というのは、掘り起こすと驚くほど嵩(かさ)が増す。

私はハウスメーカー時代、この「残土処理費用」で何度お客さんと工事担当の板挟みになったことか。

「プロなんだから、最初から土の量くらい分かるでしょ!」と怒るお客さん。

「掘ってみなきゃ分かんないっすよ、追加費用もらわないと無理っす」と動かない工事側。

その間でもみくちゃにされた営業マン時代の記憶が、スコップを持つ手に重くのしかかる。「残土、バカにならねえ……」

あまりの辛さに、YouTubeで「ミニユンボ」の価格を調べてしまったほどだ。

現実に引き戻され、私は一輪車(ネコ)を買い、掘った土を隣の「ジャングル化した元所有者の実家」へと、広く浅く、隠すように捨てさせてもらった。

一番上がネコ(一輪車)土、水、レンガ、重量物等何かと運べる便利な道具。下の黒いグリップののこぎりが植栽を伐採伐根した時ののこぎり。土に突っ込んで根を切る。通常ダメになって使えなくなると聞いていたが、今でもちゃっかり使っている。右にあるのは垂直に地面を掘れるスコップ。やはり伐根で大活躍。

これをまともに産廃処理していたら、それだけで数万円が飛んでいたはずだ。

軽トラが沈む、0.5立方の迫力

コンクリートを打つ前には、土台となる「砕石(さいせき)」を敷かなければならない。

私はホームセンターで木材を買ったついでに、無料貸し出しの軽トラックを借りた。

そのまま近くの金物屋(石材屋)へ向かう。

本当は「目的外使用」で怒られるかもしれないが、背に腹は代えられない。

「駐車場15平米分なんだけど」と伝えると、30代くらいの店員さんが「じゃあ0.5リューベ(立米)だね」と、ブルドーザーでガサァッ!と砂利を積み込んできた。

その瞬間、軽トラの車体がみるみる沈んでいく。

サスペンションが悲鳴を上げ、限界まで縮まったのが分かった。

「おいおい、大丈夫かこれ……」しかし店員さんは慣れたもので、わずか20秒で積み込みを終え、「はい、2,000円ね」と一言。

ホームセンターで袋売りの砂利を買うのがいかに馬鹿らしいか、その圧倒的な安さに驚愕した。

とまらない恐怖体験

走り出した瞬間、私は後悔した。

アクセルを踏んでも加速しない。

それ以上に怖かったのが、ブレーキだ。

「止まらない!」 重すぎて、ブレーキを踏んでもズルズルと進んでしまうのだ。

私は信号が赤になるずっと手前から、祈るような気持ちでブレーキを踏み続けた。

「ダンプの運転手って、こんな化け物みたいな重さを操ってるのか……」 プロたちの持つ技術とノウハウの凄みを、身をもって痛感した。

ホームセンターの貸し出し時間は1時間。

現場に戻り、私は狂ったように砂利を荷台から下ろした。

計算違いだったのは、金物屋が意外と遠かったことだ。

ならす時間などない。

ただ山のように砂利をぶちまけ、猛スピードでトラックを返しに行った。

「ちょっと遅かったですね」という店員の言葉に、「いやー、手こずっちゃって」と苦笑いするしかなかった。

8万円 vs 6,000円

再び現場に戻り、山積みの砂利を丁寧に平らげた。

その上に、ホームセンターで買ってきたワイヤーメッシュ(鉄筋の網)を敷いていく。

1枚500円のメッシュを8枚、計4,000円。

  • 砕石:2,000円
  • ワイヤーメッシュ:4,000円
  • 合計:6,000円

プロの見積もり8万円に対し、かかった費用は今のところ10分の1以下だ。

しかし、まだ勝負は終わっていない。

ここから「生コンクリート」をどう調達し、どう流し込むか。 私は再び、自分の「甘い考え」に打ちのめされることになる。

(第12話へ続く:生コン車を呼ぶ勇気。一発勝負の流し込み)

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